会話より2

子育てや教育において「自信を持て」と言うだけじゃ、その相手に自信は付かない。なぜなら、元々自信を持ってない者に、その言い方をしても「自信を持つ」にはどうすればいいのかが伝わらないからだ。
というか、ワテ自身、「自信がない」とか「根拠のない不安を抱えてる」なんて人から言われまくって、「ああ、そうなのかなぁ」と認識してるにすぎないわけで。じゃぁ、そんな精神的な測りようのないものを持っているのか持っていないのかなんて測定のしようがないわけで。
「ちゃんとしろ」と言うだけじゃ、その相手にそれを言った瞬間に適切な行動を取らせることはできない。別にわざと「ちゃんと」してないのではなく、適切な行動メソッドがわからないのだから。
運動会の行進の練習で右手と右脚が同時に出ることを指摘して大爆笑した上で、「ちゃんと行進しろよー」と言ったところで、どうすれば右手と右脚が同時に出なくなるのかわからないのだから、「ちゃんと」行進することはできない。
「がんばれ」と言うだけじゃ、その相手が何を目標にどのような習得行動を取ればいいのか伝えることはできない。別にわざと「がんば」らないのではなく、適切な習得行動が何なのかがわからないのだから。
適切な調整力を持ってないが故にさかあがりができない子に、適切な身体の使い方やそれを習得するための行動メソッドを与えずに、ただ、鉄棒の下で溝を深くさせていくばかりの行動を取らせ、隣で「がんばれ」と言い続けても、よほどの奇跡が起きない限り、彼は鉄棒の下の溝を深くさせるばかりで、いつまでもさかあがりができるようにはならない。
「自信を持て」「ちゃんとしろ」「がんばれ」。
この3つの言葉を吐き出す数が多ければ多いほど、そいつはインストラクターとして低能であるということをしらしめているようなものである。