素人にはおすすめできない

いくつかのジムで、何度かエアロビ・ダンス系のレッスンを受けたことがある。
そこでの光景はこうだ。

その1
「初心者向け」と銘打ったレッスン。だが入っていく客同士が、仲良くしゃべってる。
「初めての方がいらっしゃいますねー。前の方へどうぞー」なんて言われたので、前の方へ行く。
しかし、エアロビなんてはじめてなので、当然まともに動けるわけもない。
インストラクターに「ちょーっと難しかったですかねー」とか言われながら、ワテはあきらかに運動じゃない汗をかく。
インストラクターの顔は引きつりはじめ、彼女はいつもよりもゆっくりと動く。
なぜいつもと違うことに気づいたのかと言えば、周りからの視線が激しく刺さるからだ。
その場の空気があきらかに「コイツが遅いせいで、今日はひとっちゃ先に進まんがー。おもろないのー」なのである。

その2
一昨日のエントリに書いた
>新しいダンスレッスンに参加者が少ないからと誘われて出たものの、次の回からエラい参加者が少なくて、ワテがおったせいで減ってしもたんちゃうかとか
という話のダンス系の初回のレッスンでのこと。
その1の体験から数年経っていたが、それが頭にこびりついていたので、ワテは必死に動いた。隣の人にぶつかるかと思う勢いで必死で動いた。
しかし、インストラクターがどう見ても冷や汗かいてます、ほんとうに(ry
な感じで、一つ一つの動きをゆっくりやっていく。時々息が上がっているのとは違うブレスがマイクに飛び込む。
スタジオの空気はどんどんとよどんでいく。
何が悪いのかさっぱりわからないまま、レッスンは終わった。
ワテは出て行く時に、努めて笑顔を作って「ごめんなさいね。迷惑かけちゃって」と言うて出て行くのが精一杯だった。

という話をみけたん先生に振ってみたら。

初心者向けと銘打った時点で、それは避けられない。
経験者やできる人は気付かないもんだけど
目の前でやって「マネしてみろ」というのは、実はかなり敷居が高い。

と言われて、かなり目鱗。
そこからちょっと妄想してみた。
ワテみたいなレベルのビギナーに合わせてたら、レッスンなんて成立しないだろう。当然、そんなレベルのヤツは切り捨てて先へ進むことになるだろう。そうするとワテのようについていけない者は辞め、しばらくすると新人が入って来る。従ってエアロビジムの固定客は実は1/4〜半分程度で、あとは入っちゃ辞め入っちゃ辞めじゃないのだろうか。
そんな妄想をしていて、ふと思い出した。
その2の方のジムに来てるインストラクターが書いてるblogを発見して、URLも忘れたしググる気力もないし、別に晒すのが目的じゃないので、記憶を元に要約して書くが

お客さんは自分が動いて、その80%とか70%動いてくれればいい方。もっと私が動かなきゃ!

なんてことを書いてた。や、もっと動かれたら何やってはるんかさっぱりわかりませんからwww
まぁ実際、この内容からして、少なくともこのインストラクターは、超ド級運動音痴系ビギナーが「動かない」のではなくて、「動けない」んだということを分かってないのかもしれない。

では、なぜ、こうしたレッスンばかりになるのだろうか。
また妄想してみた。
レッスンの目的を2つほど考えてみる。

  • 踊れない人が踊る楽しみを感じられること
  • ちょっと踊れる人がもっと踊れるようになること

後者の方は上で書いた運動音痴が脱落して、運動音痴だと思いこんでたら、実は結構できるヤツだったという、「隠れスポーツマン」だけが残っていく形になる。しかし、それでも一定数の固定客はつくわけだ。
一方、前者は、踊る楽しみを知って、それ以上のレッスンに手を出した時点で、そのレッスンからは離れていく。従って固定客がつきにくく儲からないし無理してその体制を続けると潰れる。よって比率的には後者よりずっと少ないということになるだろう。
あげく、香川県みたいに人口が少なくて狭い上に、規制緩和のおかげか何かしらないが、どこの大規模パチンコ屋じゃというくらいの床面積を持つジムがぽこぽこできてる中、不足しているインストラクターが、地域内のジムを3つも4つも掛け持ちしてる状況じゃ前者のようなのは望むべくもないだろう。
人口が多い地域ならば、教室をとにかく併合して、規模を大きくして生徒を技術水準毎に細かく細分化したクラスに分けていけば、入会営業の方に力を入れて、新規入会者をどんどん収容していけば、ペイできるかもしれないが、香川でその手法が通用するとは思えない。
って、ここまで書いてふと気づいた。
一定数の運動音痴が脱落していくパターンが、学校の体育の授業にそっくりであることに。
ひょっとして、インストラクターのほとんどが、自分が好きでやってるが故に、やはり体育が好きで体育教師になった人と同様の流れになっちまうのかなぁと思ったわけで。
やっぱり、この手の溝は、大抵いつまで経っても埋まらないのかもなぁ。