服巻智子氏の講演に行ってきました。

会場は徳島県総合教育センター板野町の丘の上にある、かなり豪華な会場。
相談施設や、各種能力測定のための施設などもあり、充実している。

350名の募集に対して450名以上の応募があったらしい。締め切りぎりぎりに申し込んだため、別の会場でモニターによる講演視聴となったのだが、私の整理番号が100番を越えていたことから、申込者数が推測できた。
但し、当日は60名分ほど、ホールに空席があったようだ。
ホールへの移動に関して7分押しで開始。
講演は配布されたレジュメにないスライドや、ビデオ・画像資料を多用し、さらに服巻氏のお話も内容が濃く充実したもの。
時間ぎりぎりまで講演があったため、質疑応答はなし。
そのまま閉会のあいさつとなった。

以下、開会挨拶から講演の内容の抄録。
その場でW-ZERO3にメモしたものと、記憶を元に書いているので、内容が違う場合や公開するとマズい場合などは、具体的な箇所をご指摘ください。対処させていただきます。

開会あいさつ

徳島総合教育センター次長:こじまのぶこ さん
徳島県の教育施策の説明
個性・多様性
一人一人の自立を目指すなどを目標
子供たちの自立に対しての支援は、障害の有無に関係なく大切
各段階での支援が巧く連携できるようにしたい
講師の紹介
NHKの「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」で取り上げられた人ですよ。
講師の略歴紹介(略)

講演内容

ここからは、スライドの流れにそって書いていますが、レジュメにないスライドの内容はメモを失念したり、メモしきれなかった部分がありますので予めご了承下さい。

スライド1「青年期サクセスガイド」

(タイトルスライドを出したまま挨拶的な話。)
徳島には何度か来ているが一般向けの講演は初めて
来客層がバラエティに飛んでいるので全体像の話をしたい
違うバックグラウンドがあると、一人一人には物足りないかもしれないが
一人一人に違いがあるのだから、どこか役に立つ部分があれば幸い。
最近ようやく知られ、制度化された
新しく起きた障害ではない
今日はオーストラリアからまっすぐきた。そのため連絡が上手く行かずレジュメに収録されていないスライドがある。

子供のころに荒れやすい自閉症の子供たち。
教育が自閉症に対応できないから、日本は制度が先行し、知識啓蒙がおくれた。
いまはその遅れをキャッチアップしようとしている

特別支援教育基本法で足りなかったところを埋めようとしている
自閉症特化型教育によって、発達障害者が社会で生きていくことが、なんとかなっているのがアメリ
高機能型の人たちがあれているのを何とかしようというのが、いまからの取り組み

スライド2「成人期にどう言う大人でいてほしいか」(配布レジュメ未収録)

発達障害が大きく影響している人たち
幼児・自動虐待
不登校
切れやすい子供
学習不振
ひきこもり
反社会的行動
家庭内暴力
ニート
精神科疾患
二次障害
ごみ屋敷などの近所迷惑

こうした社会構造から落ちる現象が高機能でも低機能でもある。
成人してからの方が深刻。
発達障害における対人環境の問題によってこうした問題が出ることがある。
ニートのように拒絶された経験が傷になる
高機能の中にはすごいひとがいる
むしろ進学校に多く潜在している
教師も生徒にも。
東大なんか発達障害の宝庫
どんな職種も障害による向き不向きはない
向き不向きはあくまで個人の資質のみが影響する
発達障害の人には安定を求める傾向がある
鬱で休みがちな人のなかには発達障害が多く含まれる
発達障害を放置すると加齢の問題によって、近所迷惑さんになってしまう。
※札幌のごみロードとか
学校を卒業しても問題は解決しない
養護学校でも、特別支援教育でも学齢気に対策をちゃんとすることが大切
さらに健全な社会にするために支援が必要
発症率は狭義の自閉症だけで150人に一人。知的障害併発がこの半分。アスペも入れると70人に一人くらい。
知的障害にも自閉症にもスペクトラムがある。
普通に見えるが、このグループにおとしていいのか。
悪い方向にいかないようにブレーキを掛ける方法が世界的には判明しているのに日本は遅れてる。
NHKは2カ月取材していった。
年齢は1歳から成人まで、IQも低い層から他階層まで撮った。
早い段階で担任した子はもう就職した。
※ここで知的障害測定困難レベルの子の働く姿のビデオを紹介。
しゃべれないため「IQ測定困難」。
老人ホームで清掃の仕事をこなす。
通勤もスケジュールもばっちり。
この子を出してほしかった(会場笑)
24歳、職場に4年。ばっちり定着している。
最近、しゃべりがわかるようになった。
喜ぶと飛びはねる。
「不敏なねえ」という老人がお菓子とかくれると、うれしがって飛びはねる。それではちょっとよろしくないということで、そういう時の対処法を策定し教えた。
それは、おじぎをしてウエストポーチにいれるという行動だった。

今日は高機能自閉症について話す
自閉症の特徴はおなじ。
環境によってニーズが違ってくる。
よって特性の基本は同じ。

スライド3「支援者が陥りやすい間違い」(レジュメ未収録)

以下、第1レベルの箇条書きがスライド内容。それ以下のレベルの箇条書きは解説。

  • 支持に従えればいいと考える
    • そうすると世話をしつづけてしまう。
    • したがって自立しない
  • 会話ができればいいと考える
    • 会話力と自立力は別
    • 自閉症児は学問的能力は高い
  • 外見が普通の子と同じだといいと考える
  • 「普通」と同じであるべきだと考える
    • 違うことを自認しているこどもにとって、外からの同調圧力は苦しい。
    • 本質を見抜く特性がある
    • こういう考え方をしていると本質的な指摘ができない
    • 自分はだめだとおもう
    • 行間・相手の気持ちは読めないが、自分をどう思っているかは感じ取る
  • 発達障害が脳の障害と認めない
    • 教師に多い
    • わがままを言っているとか、心の問題だと片付けようとする
    • 脳障害じゃなきゃ、もっとうまくわがままをする。
      • ばれないようにとか、文句を言われないやり方をするはず
    • 相性が合う教師では障害が目立たない
    • 科学的アプローチが重要
  • 学校にいければそれでいいと考える
    • 学校で適応できればいいが、実際には学校でストレスをためることが多い
  • いつか普通になると考える
    • いつか普通になることはない
    • 遺伝子研究によって、かかわる可能性のある遺伝子がわかっただけ
    • 治療は現状では不可能
    • 進化の過程による可能性も指摘されている
    • それいゆの成人ASにPC管理とかサイト管理してもらってる。
    • ASに関するアメリカンジョークで「MicroSoftGoogleNASA発達障害者の大規模作業所」
    • 実際MicroSoftでは25%がAS
    • 得意な仕事をさせるか不得意なことを押し付けないようにすると上手く行く
    • 過去の「普通」を押し付けないことが重要

スライド4「自閉症スペクトラム(ASD)の人の特性」

  • 情報処理の違い
    • 視覚情報処理に強い
  • 学習様式の違い
    • 同じものを聞いて同じように受け取ってない
  • 感覚の違い
    • 五感が違う
    • 目立たないひともいる
    • 感情の問題もある
    • つかれやすい
  • 対人関係の違い
    • 対人関係の持ち方がちがう
    • 配慮をリアルタイムにできない
    • セオリーオブマインドの違い
    • 人に対して親切でいたいと思っている
    • 人の神経をさかなでする言動はうまい(会場笑)
    • そう言う意味での「計算」ができない
  • コミュニケーションの違い
    • input/outputともに表情表現ができない、受け取れない
    • 非言語性コミュニケーションが難しい
    • 表情表現ができないが故に、常にへらへらしてるが故に、周囲からいじめられてることに親や教師が気づかない
    • こうした事に対する困り感はADHDとかにはあるが自閉症にはない
  • その他
    • 「違ってていい」の教育実践の徹底
    • 支援者側が肝に命じて徹底すること
    • 問題行動もTPOによっては許される
    • 感じることはいいんだよと教えてあげる

スライド5「支援の基本」(レジュメ未収録)

  • 本人側の論理を理解
  • 本人を道案内するつもりで本人にわかる教え方をする
  • 辛抱強く、ユーモアを持って、明るく温かく
    • 感情表現のやり方をユーモアを持って教えるなど
    • どの部分でどうすればいいのかをしっかり教える
    • 問題行動の理由をちゃんと見極める
    • その子の情報処理プロセスを受け止めた上で、適切なプロセスを教えるべき
    • だめなものはだめなので、それもしっかり教えなければならない

※実例紹介

算数ができる子が、同一単元でのループティーチングに耐えられず立ち歩いていた。
その子は算数が得意で、一度聞いてしまえば覚えてしまっていた。したがって空いた時間に何かをしなければと考え、学級図書の整頓をしたり、(広義の)運動が不得意なため、縦笛のテストの練習を算数の時間にやっていたりした。
自閉症の子供の9割は運動が不得意
そこで、立ち歩くことがいけないと教えてあげなければならない。
それを教えたら、見違えるように立ち歩きが解消された。

  • 「教えてもらいたい」子供たち
  • 褒められたい子供たち=自分のルーチンをまもってもらいたい
    • 短い言葉で、決まった時点で褒める
    • おおげさに褒めるのはよろしくない。

※実例紹介

ある教師に「褒めること」を教えたら、3ヶ月後に当事者とその親から「いじめられた」と泣き付かれた。
事情を調べてみると、教師が常に違うポイント違う言葉で褒めるために、当事者にとっては違う言葉と現象の洪水が襲ってきた状態になり、さらに周囲から「えこひいきされている」と取られて苦しんだのだそう。

    • 「これくらいできて当たり前」ではない。
    • 教えてあげなければできない。
  • 視覚支援を活用する

スライド6「幼いころより丁寧に育てる」(レジュメ未収録)

  • 叱らないで禁止を教える
    • キツい言葉や語調を使うと、そうした態度におびえてしまい、内容が伝わらない。
  • ダメという言葉の意図を教える
    • (俺感想)「ちゃんとしなさい」など曖昧な指示に困りましたが何か?
  • 禁止の理由を教える
    • とことん理屈を教えてあげる。
      • 彼らは理屈を教えると素直に理解できる。
    • 大人とか先生でも知らないことがあることを教える。
      • 彼らは「大人」とか「先生」は何もかも知っていると思いこむ傾向がある。

スライド7「うまく育てばだれより立派な社会人になる」(レジュメ未収録)

  • 理解は異なっていても心は普通
  • 普通の人より傷つきやすい
    • 傷を解放しようとして、強い言葉や態度を取ることがある
  • 自尊心を大切に育てるべき

スライド8「幼児期の教育支援」

  • コミュニケーション
    • 能力の高低に関係なく大切
    • 自分のニーズを伝える能力を持たせる
    • 相手のことを読む
  • スケジュール
    • やるべきことをやるべき時間に
  • ※ここで数分間中継切断
    • 変更があることを教える。練習する。ランダムに

※実例紹介

自閉症にとって「変更」がどれだけ大変かという例
テレビの番組改編が苦手という例がある。
NHKの2045のニュースのアナウンサーの口調がですます→であるになった。その人はそのニュースが終わったらお風呂に入るという動機付けをしていたため、突然ルーチンが外れてしまい激しい鬱に陥った。
そこで、全国各地から(という形にして)なんで口調変えたんじゃー!元に戻せー!と要望を出したら、すんなり元に戻った。(会場爆笑)
で、元に戻ったあと当事者本人が「何故変えたのか」と聞いたところは「実は思いつき」と返ってきた(会場爆笑)

特別支援教育を実践している幼稚園の実例紹介

坐る位置をバミで視覚的に指示している。
先生の話が退屈になったら本を読んでもいいということにして、長時間同じところにいられるような訓練させている

  • ルール
  • 基本的生活習慣

スライド9「小学校での教育支援」

以下、括弧内は発言による補足

  • 学校生活に慣れる
  • いきなり多数のクラスメートに囲まれルールが適用されるので、丁寧に教える
  • 経済観念を(この時期から)教え始める
  • 「いじめ」への対処法を考える
  • 遠足・修学旅行(などの行事対応)への配慮
  • 個別の教育支援計画が大切
  • 自分を知る
  • 感情表現と感情コントロール(を教える)

※画像資料を見せながら実例紹介

  • 視覚支援として、掲示物の整理。不要な物はタイムリーに外す。視覚支援によってクラス環境自体も良くなる。
  • 授業・目標の構造化。構造化された板書を行い、しゃべりだけの授業を避ける。これによって健常者にもわかりやすい授業となる。
  • アテンションスパンに合わせた時間配分を行う。45分間集中できない子に対して、15分ずつに区切って課題を提示。
  • 使わない言葉リストを子供に提示する
  • 環境整備の一例として高槻市御陵小学校の取り組みを紹介
  • 黒板の上の掲示物が消えた。黒板の上にクラスの目標とかを掲示していると、そちらに目が行ってしまい授業に集中できないため
  • よって、そうした掲示物はすべて教室の後ろに移動した。
  • 授業はすべて視覚化かつ構造化されている。
  • 行動自己管理のチェックリスト
  • 人との距離を知る。円グラフのような図表を使う。
    • 友達という言葉の曖昧さに混乱し、さらに「友達100人できるかな」という歌に引っ張られて、「100人もできませーん」と泣き付く子供も。
    • 誰も彼もが親しいわけではないこと、親しさに段階があることを教える。
  • 視覚化して、接近の違いや言葉の違いなどを、名前カードを配置するなどしてトレーニングする
  • 感情を学ぶ
    • 殴っていいものを指定して激しい感情のほとばしりは認める
    • ほとばしりを適切に発散させる
    • パンチボールを殴るにもルールがあることを教える
    • グローブをはめるのに四苦八苦。それでもASの子はマジメで、ものすごいイライラを抱えながら、必死でグローブを嵌めるのだそう(会場笑)
    • そして、思いっきりパンチボールを殴ると、当然はねかえってくる
    • そこから「感情のほとばしり」を表面化させると仕返しされるということを一般化認識した
  • ヘッドフォンを使い慣れる
    • 周囲の雑音から身を守るために耳栓やヘッドホンに慣れさせる。
    • 変化や身体に触れる感覚に慣れにくいので、最初は数本買っておいて、折られてもすぐに、ナニゴトもなかったようにスペアのヘッドホンを出せるようにしておく。
    • 写真に写っているBOSEのノイズキャンセルホンを10本買った親御さんも。
    • 1本4万ちょっとと言われ会場がどよめく
      • (俺感想)「BOSEの〜」と言われた時点で判りましたがな。てかすげぇよママン。40万だぜ40万
    • で、本人は2本しか折らなかったので残りはほかの子に譲ったそうな

スライド10「中学校での教育支援-1」

  • 学校生活が変化すること
    • 変化に弱いのでそれを予告することが重要
  • 小学校とは違うこと
    • 小学校とは違う生活が必要になってくるので前もって教える
  • 情報があふれるので交通整理が必要
  • いくらかカットしてやる必要
    • 情報が溢れてしまうので、授業をいくらかカットする必要がある
  • 遠足・修学旅行への配慮
    • 行事ごとはルーチンと違う、つまり変化が苦手なので
  • 時間の整理
    • つかれやすいので多くのtodoがあるとやりきれなくなるため
  • 学校と家の役割を明確に
  • 宿題は30分程度

※画像資料を見せながら実例紹介

  • 黒板の隣に宿題や課題などの情報を各教科担任が書き込むための白板を設置して情報を整理
  • 挫折禁止マークを後ろに掲示
  • 名目は当事者のために貼っているのだが、実は教師のためだったりする。特別な授業や構造化された板書を行うのは教師にとっても一苦労。そこで授業の最中に教師がそのマークを見て奮起するのだそうだ(会場笑)

スライド11「中学校での教育支援-2」

  • 自分の特性を知り、対人関係スキルを練習
  • 友達も変化している
  • 「思春期」について教え、性教育を提供する
    • 特に性の変化を教えることは重要
    • 変化が苦手だから、自分の身体が「変化」することに対して混乱を起こす
    • ASは性的欲望が全然出ない子とすごく出る子とにくっきり分かれる
  • 性に関する制限と境界線を教える
  • 感情コントロールを練習
    • 性教育は感情コントロールにもいい影響を与える
    • 性教育を適切に行っておかないと性犯罪被害者になることもある
  • 携帯とネットの制限を教える
    • 自閉症は前もって教えたルールはがっちり守るので、適切に教えるべき
  • いじめへの対処を教える

スライド12「中学校での教育支援-3 進路指導を丁寧に」

  • 進路指導に1年以上かける
  • 進路指導の際、選択肢をいくつか示し、それぞれのメリットデメリットを示して、本人に決めさせる
  • マイペースを守る〜浪人もあり!

スライド13「高校での教育支援-1」

  • 中学との違いを明確に教える
    • 感情コントロールを教える・つかれやすい・社会性成熟がまだの場合などは特に重要
    • 義務教育は勝手に進んでいくが高校以降の教育には自主性が求められる
    • 高校に行くのが難しいと思われる場合は高校浪人も選択肢に入れる。
  • 時間の管理を手伝う〜長期・短期とも
  • 絞れる教科は絞っていく
  • テスト時間の配慮
  • 別室受験の配慮
    • 書くのが遅い子には制限時間の延長や、文章を読むのが不得意な子には、曖昧な問題の出し方をしないなどの配慮を求めてきた。
    • 周囲がベルトコンベアにのせようとしないことが大切
    • 新しい世界だという予告をしそこに飛び込む自信がついてから
    • 人生の中で5年や6年くらいは誤差だということを親も当事者も認識する必要がある
  • 修学旅行への配慮
    • ホームステイなどで、生徒が複数人だと厳しい。最近の修学旅行は長期化・遠距離化の傾向があるため中止も検討する

スライド14「高校での教育支援-2」

  • 自分の特性を知る
  • 感情の学習とコントロールの練習
  • 性教育を継続する
  • 不安のコントロールを教える
    • 義務教育でなくなった途端に不安が多くなるため
  • 携帯とネットの制限を教える
  • 地域社会での言動のチェック

※書籍紹介

トニー・アトウッド著・「感情コントロール指導」
来年日本語版出版予定

スライド15「発達障害者とペットは相性がいい」

(詳細メモできず)
※映画紹介

モーツァルトとクジラ」
AS男性の話
奥さんもAS・アーティスト

モーツァルトとクジラ [DVD]

モーツァルトとクジラ [DVD]

スライド16「高校での教育支援-3 教育支援を丁寧に」

  • 高校入学と同時に、学校生活が落ち着いたら直ちに、スモールステップで進路指導を開始する
    • 高校を3年で出る必要はない
  • 自分を知ることから
    • 自分がやりたい仕事と仕事の向き不向きは違う
  • 社会にある仕事の種類を知る
    • 好きなことをしようとしても、適合しないことをたくさんやらなくちゃいけないことがある。
    • 事前にそうしたことを細かく知る必要がある

※実例紹介

ASの自分と同じ苦しみを持つ子供を助けたいと教師になったものの、親への対応や事務対応などでつぶれてしまった事例

  • 卒業後の選択肢を知る
    • ASは違うところにもできることがあるということを見つけるのが難しい
    • 仕事として向いてない仕事はないが、職場として向いてないところは多数ある

※書籍紹介

発達障害と大学進学
クリエイツカモガワ

発達障害と大学進学―子どもたちの進学の夢をかなえる親のためのガイド

発達障害と大学進学―子どもたちの進学の夢をかなえる親のためのガイド

スライド17「職業選択」

  • ASDだから合わない」という職種は無いが、各自の特性に合う仕事を選ぶ
  • 自分の長所を生かせるところ、短所をカバーしてくれる人たちが居る職場
  • 大学を選ぶ

スライド18「大学進学での支援-1」

  • 履修の支援
  • 机の位置
  • 教授との連携
    • 休講の案内は学内の掲示板に張り出すだけという形。これは発達障害にはキツい。最近は増えてきたが、休講の案内をメールにしてくれれば視覚認知が出来るし、発達障害者以外にも有用。
  • 試験時間への配慮
  • レポートとの差し替え
    • 学科・課程によっては試験/レポートの選択ができるようにした例も
  • レポート支援
  • 別室受験
  • 体育への配慮
    • ASにとっては体育があることがいやな場合も。大学生以前の子供の親に対して「大学に行っても体育ってあるんですよ」というコメントも

スライド19「大学進学での支援-2」

  • 大学に行ったから、その学部に行ったから、その職業につかなくてはならないわけではない、と、肝に銘じておくこと。
    • こうした固定観念を本人も周囲もポジティブに捨てるべき
    • 特に親はそこが難しい。入学金やら学費やらを出しているため、なかなか割り切れない。

※実例紹介

言語学を学んで、バイク便ライダーになった人もいる。
彼は英語を勉強して、日本語会話がマシになった
歯科技巧氏の学校に行ってみたら人間関係と環境の狭さにつぶされた
バイク便ライダーは彼に合っていた。
バイクが好きだし、指示はボスから携帯にメールで来るので視覚認知が生かせる。

スライド20「成人期の支援」

  • 仕事への支援
  • 対人関係への支援
    • 職場というのは常に仕事の内容や上司の変化があるが、それについていけない
  • 感情コントロールの支援
  • 性の支援
    • 腹巻先生、オーストラリアで1週間カップルカウンセリングとセックスカウンセリングを学んできたそうな
  • 健康の支援
  • 家庭生活ー実行機能支援
    • AS主婦が優先順位を教えてくれる人がほしいと言うことも
    • 優先順位を教えると片付け上手にもつながる
  • 介護
    • ASが介護者になる可能性
    • ASのためガイドヘルパーのアレンジができないという事例も
  • 老齢化
    • 自分自身の老齢化

スライド21「成人期の支援-2」(レジュメ未収録)

  • 成人期には子供より多くの支援が必要
  • 週1以上が望ましい
    • 2回キャンセルがあったら訪問を
  • 高校生以上も同様
  • 結婚にまつわる課題
  • 実行機能セクレタリー
    • お金の管理など
  • 自立をするときに支援者・機関が必要

スライド22「いつ、親の手を離れるか」

  • それは、親がどれだけ計画的に、親のほうから手を離すことができるか、に、かかっているとも言える
  • 子供自身を育てておく
    • 自分でニーズを伝える練習を
    • 周囲のサポートをバックアップ含めてつくれるか。サポートする人が1人では、その人が倒れたりサポートできなくなった時に困る

スライド23「自己認知支援について」

  • 自分を知る
    • 自分の特性を知ることが重要
  • 障害表明の必要はあるか?
    • 表明には自己認知が必要
  • 支援をしてもらうには、それなりの理由が必要
  • 一般の人たちにとっても公平であることが、共感を得やすい
    • 周囲にも公平でなければ共感は得られない
    • 共感が得られなければ支援されない。いじめにつながる
    • 弱点があるとわかれば普通はサイレントマジョリティになる
    • そこをつつく子供は、実はその子に心の問題がある、大抵は家庭環境に問題があることが多い
    • 違っていていいのだということの表明
    • 障害を隠さないことが、その証左になる

スライド24「障害表明の段階」

  • 幼稚園・小学校・中学校まで
    • クラスもしくは学校全員に
  • 高校以降
    • 同じクラスや近いグループまで
  • 成人期
    • ある程度かかわる人まで。もっとも自伝などを出版すれば世界中に知れ渡るわけだが。
    • (俺感想)てか、こうやってblogとかで自分で表明してるしなwww

スライド25「早期発見・早期療育が鍵」

  • 遅く発見されても、必要な支援はできるが
    • 本人をよりよく育てるには早期である必要

スライド26「まとめ」

(このスライドはタイトル以外白紙)
親が子の障害を受け入れるのは大変なこと
かわってあげられないから
「いいんだよ」と早くから言えたらよりポジティブになれる
障害を持っていることをコンプレックスにしなくなる
誰の人生も公平ではない
足るを知りながら自分なりの幸せを見つけるには
親が感情の整理をするところから