正解だったそうで

昨日書いた「実は個人で行う運動において『間違い』なんてものはないんだ」というのが正解だという情報をいただいたので、それを展開してみる。
では、なぜに運動において「なにやっとんじゃゴルァ」とか「間違ってる」とか、挙げ句の果てに「ついてけない」といった問題が発生するのか。
シチュエーションごとに妄想してみよう。
その1:体育の授業
軍隊教練を元にした体育の授業においては、全員が同じことができることは重要ではなく、全員に同じことをさせることが重要になる。したがって、「授業を受けている者全員が同じことができない」=「おちこぼれ」ということになる。
学校のお勉強という側面で考えれば、非実技系の教科において、熱心な教師などが、補習をし、理解できていないところを補ったりするのだが、体育において熱心な教師が特訓を行うと、そこに集まった者全員が同じことができるようにしようとして、同じ訓練メニューをやらせてしまう。
しかし、「ついてけない」子供は、何ができてなくてどこを治せばいいのか理解できないまま、できないことを何度も反復してやらされるが故に体育が嫌いになっていく。
逆に言えば何ができてなくてどこを治せばいいのか、そのためにはどうすればいいのかということを理解する手だてなり指導があれば体育嫌いはなくなるはずなのだ。
その2:ジム
これは簡単。企業であるからして、怪我されたり機械壊されたりしたらたまったもんじゃない。
学校の場合は、怪我されても公権力で隠せるし、設備壊されても税金だから痛くもかゆくもない。と考えるのは少々意地悪だろうか。
まぁそれは置いといて。
で、そーいう損害を被りたくない+置ける機械に限界があり、その機械をつかったトレーニングしかやりようがないために、一定のマニュアル化されたトレーニングメニューの中の数字をちょろちょろっと変えただけのものを「これがあなたにもっと合ったトレーニングです!」と提供するわけだ。
だが、相手が企業活動としてやっている以上、これを否定する理由はどこにもない。一人の会員から30万も100万も取るようなところなら、機械で言うところの試作試験のように、徹底的な検証とそれに対しての対応策を練り上げるといった作業もできようが、一人の会員からたかだか数千円、よくて2万円程度しか取れないところで、そんなことができるはずもない。
じゃぁ、大手のジムなら、大手のメーカーになぞらえて、身体を動かすことが苦手な人がそれを克服するための基礎研究をやってもいいんじゃないかと一瞬考えてしまったが、そもそもそんな人は顧客になる確率が非常に低いため基礎研究をしたところで、研究費を回収することができないので、企業活動としてそんなことはできないということになる。
まぁ、せいぜい産学共同研究に期待しよう。
その3:チームスポーツ
主に体育の授業での現場においての話になるが、なぜ彼らはあんなに罵声を飛ばし、ルールから外れた行動をするものに対して奇異の目を向けるのか。
答えは簡単。勝ちたいからである。
80年代後半〜90年代前半においての体育の授業で、チームスポーツをやる時に、いちいちルールの説明は行わなかった。いや、その辺をちゃんとしていたところもあるのだろうが、ワテの記憶の中ではそういう授業が行われた記憶はない。
当然球技において、ボールの扱い方をちゃんと学ぶということも、ほとんど記憶にない。唯一あるとすれば、バレーボールの…えーとあれ名前なんだっけ、ほれ、手のひらだか指先だかでボールをぱほんってやるアレ。アレはちゃんとせんと指が折れるからという理由で、結構きちんとやった記憶がある。
しかしだ、これがサッカーとか野球になると、そんな指導をちゃんと受けた記憶がない。さらにドッジボールをやる前に、ボールを上手く投げる方法なんてものを指導された記憶もない。
つまり、技能も力量も体格も体力も違う子供たちが、突然フィールドに立たされて、まともなプレイをすることを要求されるわけだ。
バットの持ち方すらしらない、本で読んではみたけど、実物が家にあるわけじゃないからよくわからない。近所の子供同士でやってる野球もどきに参加しようにも、そんなところでそんなことを聞いたところで、誰も相手にしやしない。
「ボールをよく見て適当に振れば当たるんだよ」と言われても、そもそも飛来する物が怖くて見てらんない。それを見るといたずら好きな子供たちはここぞとばかりにボールを激しくぶつけにかかる。
サッカーになるともっとひどいものだ。なんかみんながボール追わえていっきょるけん、適当に追わえる。奇跡的にボールに触れられるチャンスが来たとしても、蹴飛ばした途端に罵声が上がる。そりゃそうだ、どっちに蹴ればいいのかわからないし、そもそも、わかっていたとしてもコントロールなんてできやしない。
そうすると、「オマエキーパーな。あ、取らんでええけん。俺カットするけん。オマエ、そこのゴールの際で立っとってな」と言われその通りにするってーと、今度は体育教師から「さぼるなー」と罵声が飛んでくる。
アンタこそサボるなよ。
っとそろそろ単なる愚痴になってきた。
と、まぁ要するに球技のルールや基礎練習といったものが、現場ではすっとばされている上に、それらを知っていることがなぜか常識ということにされてしまっているが故に、知らないヤツがおかしいということになってしまっているのだ。
「予習してないアンタが悪い」と言われればそれまでなのだが、学校教材だけで予習ができる一般教科と同列に考えるのはいかがなものかと思う。まぁ、ルールくらいは予習できたかもしれんけどな。
(clone of this entry)